ADHDと成人
これらの3つの基本特性が複雑に組み合わさって、その他の生活や仕事の上で支障をきたすことになります。特に支障をきたし易いのは、先延ばしなのです。期日までに行わなければならない仕事や用事があるにもかかわらず、目先のことや自分の興味のあることに気を奪われて、すぐに取り掛かることができなかったり、あるいは取りかかろうとしないことから、しばしば先延ばしにしてしまうことがあるのです。
それと伴って現れる臨床症状として、チック症状や強迫症状があるということです。脳炎後遺症、極端な栄養障害、頭部外傷後遺症、一酸化炭素中毒、あるいは鉛の慢性中毒など、生後に罹った脳の機能障害が原因と考えられる症例があるそうです。成人のADHDの主な行動特性には、多動、衝動、不注意、そして先延ばしなどがあります。これらの特性が一人一人に異なる程度で発現し、この他にも各人固有の行動特性が現れます。
現在のところは、大脳の前頭葉の一部である前頭前野が正常に機能していないことが原因と考えられています。ここから分泌されている神経伝達物質のドーパミン、ノルエピネフリン、あるいはセロトニンなどの生体アミンの分泌代謝が、通常の人と異なることが判っています。また、遺伝子の染色体異常が関係しているという説もあったり、男性の発症割合が高い実例も挙がっています。ADHDは神経生物的な機能不全ですから、薬物療法はADHD治療の最大の要とされています。
注意欠陥多動性障害(ADHD)の症状の一部がADHDではない子どもにも見受けられることがありますが、ADHDの子供には症状がより頻繁に、重症に出るということです。また、低体重出生、新生児仮死、さらに重症黄疸など周産期の異常が何らかの関与をしていると考えられるケースもあるようですが、原因の特定ができないものが多くなっています。その他、ドーパミンをはじめとする脳内アミンなど、生理活性物質の異常が多動および集中力の欠如に関与していると指摘されているのです。
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